交通事故の慰謝料含め示談金が支払われるのは、示談が成立してから約1〜2週間後です。交通事故被害にあってから示談成立までには時間がかかります。弁護士に示談交渉を依頼した場合の示談成立までの流れを把握しておきましょう。あわせて、示談成立前に受け取れるお金の種類とその方法を説明します。
示談が成立してから約1〜2週間後
示談金を受け取るには、示談書の内容を確認して、署名、捺印の上、保険会社に返送します。保険会社に署名、捺印した示談書が届いたら、示談成立となります。示談成立後、約1〜2週間後に保険会社から示談金が支払われます。
示談成立までの流れ
示談が成立してから約1〜2週間後に示談金を受け取ることができますが、示談が成立する前の交通事故にあってから示談成立までの流れについて詳しく解説します。
(1)交通事故発生
交通事故が起きたら、速やかに警察に連絡しましょう。警察に届け出ることで、交通事故が起きたことを証明する「交通事故証明書」が発行されるようになります。
(2)治療
交通事故でケガを負った場合、まずは治療に専念して身体を治すことが大事です。初診は基本的に事故当日に受けて、必ず医師に診断書を書いてもらいましょう。診断書はケガと交通事故の因果関係を明らかにする上でも重要です。また、初診後も医師の判断に従い継続的に治療を受けましょう。
(3)症状固定
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込まれない状態のことです。「症状固定」は、通常医師が判断します(ただし、争いになれば最終的には裁判所が判断します)。保険会社は、事故発生から症状固定までの間、治療費を支払います。交通事故の代表的な症状であるむちうちの場合は下記の期間が目安になります。
ケガ | 保険会社が目安としている期間 |
---|---|
むちうち | 3〜6ヶ月 |
(4)後遺障害等級認定
症状固定の時点で、後遺症が残っているかが重要なポイントとなります。後遺症が残っている場合には、後遺障害等級認定の申請手続をとることができます。後遺障害等級が認められると、後遺障害慰謝料などを受け取れます。むちうちで14級9号の認定を前提とした申請を行なった場合、認定結果が出るまでの期間は目安として1〜2ヶ月程度です。
(5)示談交渉
弁護士に依頼した場合、弁護士があらためて損害額の算定を行ない、保険会社に損害賠償請求をして、示談交渉を行ないます。
(6)示談成立
弁護士による交渉を経た示談内容について、当事者である被害者が合意すると、弁護士は、代理人として加害者側と示談書を取り交わして示談を成立させます。
支払方法について
示談成立後、示談書の内容に沿って示談金が支払われます。一般的には、銀行口座に一括で支払われます。
保険金を早めに受け取る方法について
上で見たように、交通事故発生から示談金受け取りまでは時間がかかります。一方で、交通事故で怪我をしてしまうと、入院や通院で治療費や通院費がかかる上に、仕事を休むなどして収入が減り、生活に支障をきたす場合もあります。そうしたケースでは、示談成立前に受け取れるお金の種類を知っておくとよいでしょう。
①内払い
相手方の保険会社が賠償金の一部先払いである内払いに応じてくれるケースがあります。内払いとは示談成立前に賠償金の一部が支払われることですので、最終的な示談金額から差し引かれます。
②その他の方法
自賠責保険の仮渡金制度を使うことで、示談金が支払われる前にまとまった金額を受け取ることができます。また、自賠責保険の被害者請求制度を利用することでも、加害者がなかなか損害賠償金を支払ってくれない場合に先に保険金を回収することができます。その他にも、被害者の方本人が加入している人身傷害保険 や搭乗者傷害保険を利用することで、加害者との示談成立前であっても保険金を受け取ることができます。これらも最終的な示談金額から差し引かれます。
弁護士に示談交渉を依頼するメリット
弁護士に依頼せずに保険会社との示談交渉を行なう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本人が交渉する場合は、手間がかかったり、妥当性の判断がつかなったりすることがあります。結果的に、示談成立までに時間がかかったり、妥当な賠償を受けられなくなってしまうかもしれません。一方で、弁護士に依頼すれば、適正な損害額を算定し、裁判基準(過去の裁判例をもとに、裁判所が妥当と考える損害賠償金額を類型化した基準)による交渉を行なうことで、 示談金の増額が見込めます。
交通事故の慰謝料はいつ支払われる? まとめ
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交通事故の示談金はいつ支払われる?示談成立後、約1〜2週間後に保険会社から示談金が支払われます。
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示談金の支払方法は?一般的には、銀行口座に一括で支払われます。
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示談成立前に受け取れるお金はある?相手方の保険会社が賠償金の一部先払いである内払いに応じてくれるケースがあるほか、自賠責保険の仮渡金制度、被害者請求制度などがあります。
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