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交通事故で腓骨を骨折した場合の後遺障害等級と慰謝料はどうなる?

膝から足首までの間の下腿部には2本の骨があり、内側(足の親指側)の骨を「脛骨(けいこつ)」、外側(足の小指側)の骨を「腓骨(ひこつ)」といいます。交通事故に遭った場合、腓骨を骨折するケースがありますが、正しく治療を受けなければ後遺障害等級の認定を受けることが難しくなります。ここでは、腓骨骨折の場合に考えられる後遺障害等級と慰謝料の金額、後遺障害等級を受けるために押さえておくべきポイントについて解説します。

腓骨骨折の症状と治療の流れ

症状

腓骨

腓骨を骨折すると、骨折部に痛みが発生し、歩行が困難になります。

治療

・診断

基本的にはレントゲン検査によって腓骨を骨折しているかどうかを判別できます。ただし、微細な骨折の場合には、レントゲン検査だけでは判明しない場合もあります。レントゲン検査では異常が無いと判断されたにもかかわらず痛みが長引くようであれば、CT検査を受けてみましょう。レントゲン検査では判明しなかった腓骨骨折が、CT検査によって判明するケースもあります。

・保存療法

骨折部のずれがほとんど無い場合などでは、医師による骨折部の整復(骨折してずれた骨をもとの位置に戻すこと)を行ないます。その後、ギプスなどで骨折部を固定し、安静にすることで治療します。

・手術療法

骨折の程度が酷く、ズレてしまう可能性が高い場合などでは、手術によってプレートやボルトを体内に入れて骨折部を固定する方法をとることもあります。

腓骨骨折で認められる可能性がある後遺障害等級

腓骨骨折で認められる可能性がある後遺障害の種類は次のようなものです。

神経症状

治療を行なったにもかかわらず、痛みやしびれといった神経症状が残ってしまったケースです。

等級基準
14級9号局部に神経症状を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号か12級13号かは、神経症状の原因がレントゲン検査などの画像によって判明するか否かにより分かれます。画像検査の結果から、原因が明らかになる場合には、より重い等級である12級13号が認定されます。

機能障害

関節の可動域が狭くなるといった症状が残ったケースです。

等級基準
12級7号1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
10級11号1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
8級7号1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

足の関節の可動域がどのくらいの角度であれば機能障害として認定されるかについては、数値による明確な基準があります。
ただし、この基準をクリアしていても、画像検査の結果などから、その症状の原因が判明していなければ機能障害は認定されません。

変形障害

骨折した部分が固まらない場合や、通常とは異なる形で固まったケースです。

等級基準
12級8号長管骨に変形を残すもの

長管骨とは、ここでは腓骨のことです。腓骨の骨幹部に癒合不全が残る場合には、12級8号が認定されます。癒合不全とは、骨折した部分が固まらず、関節ではない部分が関節のように動くようになった状態をいいます。
また、腓骨の骨折部が固まっても、その部分が変形して固まってしまった場合には、変形の程度が著しい場合に12級8号が認定されます。

短縮障害

負傷の程度が重度の場合、治療の過程で負傷した足が短縮してしまうことがあります。

等級基準
13級8号1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
10級8号1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
8級5号1下肢を5センチメートル以上短縮したもの

醜状障害

負傷の程度が重度の場合、治療の過程で負傷した箇所周辺に傷痕が残ることがあります。

等級基準
14級5号下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
12級相当下肢の露出面にてのひらの大きさの3倍以上の醜いあとを残すもの

下肢の露出面とは、股関節より下をいいます。
また、てのひらの大きさとは、被害者の手のひらの面積が基準になります。

腓骨骨折による後遺障害が認定された場合の慰謝料

腓骨骨折による後遺障害が認定された場合、各等級によって次のような慰謝料が発生します。慰謝料の金額は自賠責基準弁護士基準とで異なります。

自賠責基準弁護士基準
14級32万円110万円
13級57万円180万円
12級94万円290万円
10級190万円550万円
8級331万円830万円

この表のとおり、弁護士基準は自賠責基準よりも高額となります。また、後遺障害が認定された場合、慰謝料だけでなく逸失利益も請求できることがあるので、さらに高額になる可能性があります。

しかし、交通事故の被害者が、自らが加入している保険会社または自分自身で相手の保険会社と交渉すると、相手の保険会社は、自賠責基準に基づいて慰謝料額を提示してくることが多いため、弁護士基準に比べて低額になります。

これに対し、交渉を弁護士に任せれば、弁護士基準での金額を請求していきます。高い後遺障害等級が認定された場合ほど両基準の差額は大きくなっていくので、弁護士に依頼することをお勧めします。

後遺障害等級認定を受けるために押さえておきたいポイント

後遺障害等級は、簡単に認定してもらえるものではありません。現実に症状が残存しているケースであっても、弁護士のアドバイスなしに治療を進めた結果、後遺障害認定を受けられないということは頻繁にあります。後遺障害等級認定を受けるため、以下のポイントを押さえておきましょう。

①できる限り早急に病院へ通院する

事故後に身体の痛みがある場合には、できれば事故当日、遅くとも事故翌日には病院へ通院しましょう。
整骨院や整体では後に適切な賠償が受けられない可能性があるので、必ず病院つまり整形外科に通院してください。

②最低でも月1回は通院する

後遺障害を認定してもらうためには、ある程度頻繁に通院していることが重要です。通院頻度は医師の指示にもよるのでやや難しいですが、目安としては最低でも月に1回は通院すべきです。通院した際は、どこが痛いかといった症状を正確に医師に伝えましょう。

③必要な検査をしてもらう

腓骨骨折に関係する後遺障害の認定のために最も必要なのはレントゲン、CT、MRIといった画像所見です。また、足関節の可動域の測定も重要です。画像検査と可動域測定検査については、事故直後から行なってもらうことはもちろんですが、治療の経過を見るためにも、通院途中でも行なってもらうべきです。

以上が押さえておくべきポイントです。しかし、これらはあくまで一般的なものです。具体的なアドバイスについてはその都度弁護士に求めることをお勧めします。

腓骨骨折の解決事例

交通事故で腓骨を骨折した場合の後遺障害等級と慰謝料はどうなる? まとめ

  • 腓骨骨折で認められる可能性がある後遺障害等級は?
    神経症状では14級9号、12級13号、機能障害では12級7号、10級11号、8級7号、変形障害では12級8号、短縮障害では、13級8号、10級8号、8級5号、醜状障害では14級5号、12級相当と認定される可能性があります。
  • 腓骨骨折で後遺障害が認定された場合の慰謝料は?
    後遺障害が認定された場合の、後遺障害慰謝料(弁護士基準)は、8級で830万円、10級で550万円、12級で290万円、13級で180万円、14級で110万円です。慰謝料だけでなく逸失利益も請求できることがあるので、さらに高額になる可能性があります。
  • 後遺障害等級認定を受けるためのポイントは?
    認定してもらうため、(1)できる限り早急に病院へ通院する、(2)最低でも月1回は通院する、(3)必要な検査をしてもらう、等のポイントを押さえておきましょう。
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