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【交通事故】髄液漏れ訴訟 事故で発生認定 被害者側が逆転勝訴 2011年09月27日

交通事故と脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)との因果関係が争われた訴訟で、大阪高裁(紙浦健二裁判長)が7月、事故による発症を認定して被害者側の逆転勝訴判決を言い渡していたことが分かった。判決は、厚生労働省の研究班が6月に明らかにした中間報告書で「外傷による発症もまれではない」としたことに言及し、損保・加害者側が否定の根拠としてきた国際頭痛学会の診断基準(04年)を「厳しすぎる」と批判しており、同種訴訟にも影響するとみられる。
追突事故に遭った堺市の会社経営の男性(67)が06年、加害者側を相手取り損害賠償を求めて提訴。訴訟中に髄液漏れと診断された。大阪地裁は昨年2月に診断について「疑問がある」と退け、髄液漏れに関する補償は認めなかったが、7月22日の大阪高裁判決では、髄液漏れと認定。休業損害額が1000万円以上増額され、確定した。
判決によると、男性は03年の事故直後、腰椎(ようつい)横突起骨折、頸部(けいぶ)挫傷、腰部挫傷などと診断された。頭痛やふらつきなどが治らず、07年に髄液漏れと診断され、同年5月に自身の血液を注射して漏れを止めるブラッドパッチ療法を受けた。同12月の診察時には症状が軽くなっていて、最終的に8割以上よくなった。訴訟の相手側は「『ブラッドパッチで72時間以内に頭痛が消失する』などとする国際頭痛学会の基準に合致せず、頸椎捻挫が慢性化しただけ。治療効果は本人の気のせいの可能性がある」と主張した。
しかし、高裁判決は、国の研究班が最新の研究結果として「外傷による発症は決してまれではない」としたことも挙げて、国際頭痛学会の基準を「厳格にすぎる」と指摘した。さらに「症状が大幅に改善したことは間違いない。髄液漏れ以外にブラッドパッチが効果を発揮する疾患はない」とも述べて、髄液漏れと認めた。患者団体「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表は「国の研究班の成果が良い方向に影響しており、今後、同じような判決が続くことを期待している」と話している。

※参照
2011年9月2日 毎日.jp
「髄液漏れ訴訟 事故で発生認定 被害者側が逆転勝訴」

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