文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/531回テーマ 「あおり運転の規制」編 2019年06月11日

弁護士の中原です。

今朝の『くにまるジャパン極』では、最近問題になっている「あおり運転」についてお話してきました。運転中ほかの車両との車間距離を異常に縮めたり、幅寄せしたり、追い回したり無理に割り込むなど、危険を生む行為の事です。

高速の重量物で車を追い回す、非常に危険な行為ですから、現状でも様々な規制がされていて、まず、道路交通法26条の、「車間距離保持義務違反」になる可能性があります。この条文では、同じ車線を走る他の車両の後ろを進む場合、前の車両が急に止まっても、追突しない程度の車間距離を保つ必要がある、と定めています。

どのぐらいの車間距離を保つ必要があるかについては、クルマの種類、スピード、道路状況、積載量などの事情に応じて必要な車間距離は変わってきますから、一概には言えませんが、乾燥した平坦舗装路面における速度と、車間距離の基準を示した「警視庁管内自動車交通の指示事項」というものが参考になります。例えば、時速40kmなら15m以上、55kmなら20m以上とされていて、過去の裁判でも使われています。

違反した場合は、罰則も定められていて、高速道路での車間距離不保持は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、一般道路の場合は5万円以下の罰金ですが、ともに交通反則通告制度の対象ですので、反則金を払えば刑罰を受けることはなく、高速道路では違反点数が2点、一般道路の場合は、1点となっています。

もちろん、これだけでは「あおり運転」の規制としては不十分に感じられる方もいらっしゃると思います。あおり運転は人に暴行を加える行為と考えれば、「暴行罪」が成立する可能性があります。「暴行罪」は、人に対する不法な有形力を行使したときに成立する罪ですが、実際に接触していなくても無理に車間を詰める、幅寄せする、割り込むなどの行為も同様に「不法な有形力の行使」と考えることができると思います。暴行罪なら、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金です。

また、記憶に新しいかと思いますが、東名高速での事件は「危険運転致死傷罪」が適用されました。相手を死亡させた場合は、さらに重い殺人罪適用の可能性もあり得ます。これは5年以上の懲役や、場合によっては無期懲役、死刑もありうるとても重い罪です。
実際に、2年前、大阪でバイクに抜かれ怒った運転者が、車間を詰めてあおり続け、最終的に追突、死亡させた事件では、殺人罪の適用が争われました。犯人は殺意を否定しましたが、ドライブレコーダーが証拠となり、「未必の殺意」、つまり「死ぬかもしれないがそれでも構わない」という気持ちがあったと認定され、殺人罪が適用されています。

万が一、「あおり運転」に巻き込まれた時のために、自衛の意味でもドライブレコーダーの搭載もオススメします。同乗者がいるなら、危険な目に遭っているとき、スマホや携帯で動画を撮影してもらうのも効果的です。でもまずその前に、やはり危険なあおり運転、絶対にやめていただきたいと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇531回テーマ
 「あおり運転の規制」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

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