文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/477回テーマ 「交通事故 慰謝料とは?」編 2018年05月22日
代表の中原です。
今月の『くにまるジャパン 極』では、交通事故にスポットを当ててお話ししています。今日は交通事故の被害に遭った場合の「慰謝料」についてお話ししてきました。
慰謝料は、「慰め謝る」と書きますが、文字通り精神的な苦痛に対して支払われるお金のことを言います。交通事故でケガをすると、その痛みによって精神的な苦痛、不安…といったものが生じますが、その辛い思いをカバーするために支払われるお金が慰謝料ということです。
交通事故の慰謝料には、「傷害慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」という3つの種類があります。
不幸にして亡くなられてしまった場合に支払われるのが「死亡慰謝料」、命は助かったけどケガをした時支払われるのが「傷害慰謝料」です。これは、そのケガが治るか、症状固定(治療を続けても、これ以上症状が良くならない状態)になる時点までの、入院や通院の期間に応じて支払われるお金です。
症状固定の後、もし痛みなどの症状が残ってしまったら、その場合に支払われるのが「後遺障害慰謝料」です。
ただ、精神的な苦痛は人それぞれのため、それを金銭に換算することはとても難しいことです。そのため、損害賠償の金額は、あらかじめ設定された基準に沿って決まるケースがほとんどです。この基準には3つの種類がありますが、裁判所で使われるのは「裁判基準」と呼ばれるものです。
たとえば、「死亡慰謝料」は、裁判基準では2,000~2,800万円程度となっていて、この額には亡くなった本人だけでなく、家族への慰謝料も含まれています。近しい人を事故で亡くせば、家族も精神的苦痛を感じますから、「近親者慰謝料」といって、一定の範囲の家族に対しては慰謝料請求権が認められています。
「傷害慰謝料」は、ケガの程度や入院・通院の期間を基礎に計算します。たとえばむち打ち症で入院はせず、6ヶ月の通院なら89万円といった具合です。
後遺症が残った場合の、「後遺障害慰謝料」は、症状に応じて1級から14級の等級に分けられていて、1番低い14級なら110万円というように、等級に応じて金額が定められています。
ただし、これらの金額はあくまで「裁判基準」に当てはめた場合の金額です。慰謝料を計算する基準には、ほかにも保険会社が被害者との交渉の際に主張してくる「任意保険基準」や、自賠責保険で決められている「自賠責基準」などもあり、それぞれのケースによって、使うべき基準が違ってきます。
また、同じ「裁判基準」を使うにしても、ケガが重い場合や、相手方が酒酔い運転をしていたなど悪質な場合には、基準以上の金額が認められることもあります。
どんな金額なら妥当と言えるのかは、ケース・バイ・ケースで、弁護士はその点を交渉していくことになります。一般の方にはわかりづらい部分も少なくないので、疑問があれば是非専門家への相談をお勧めしたいと思います。
【出演情報】
◇日時
毎週火曜 9:45~
◇放送局
文化放送(関東エリア)
◇番組名
『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇477回テーマ
「交通事故被害 慰謝料とは?」
◇出演
番組MC 野村邦丸さん
番組パーソナリティ 鈴木純子さん
法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士
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