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文化放送『くにまるジャパン 極』に山田冬樹代表弁護士が出演/476回テーマ 「交通事故 命の値段」編 2018年05月15日

代表の山田です。

今週の『くにまるジャパン 極』では、「交通事故 命の値段」というテーマで、私が担当した交通事故事件の中から、特に忘れられない事件ついてお話ししてきました。

幼稚園に通っていた女の子が、通園のために乗ろうとしたバスに、自宅の前ではねられて亡くなられたという事故でした。

自宅の前で起きた事故ですから、ご両親はお子さんが亡くなった事故現場を毎日見ざるを得ません。
子どもが幼稚園に通い始める、それじゃ家を買おう…と、夢いっぱいで手に入れてまだ一年しか経っていない家でしたが、その目の前で愛する我が子が亡くなってしまったわけです。ご両親はもうそこに住んでいられなくなり、別の物件を買って引っ越すことになりました。
この場合の転居費用と、新たな家のために不動産屋に支払った仲介手数料は、相手への賠償金の請求に加えることにしました。

また、お子さんの場合、ご両親のショックも並大抵ではなく、慰謝料の基準も以前より高くなってきていますが、この事件で私が気になったのは、逸失利益の計算方法でした。
被害者が生きていたら、稼ぐことができたであろうお金を逸失利益と言いますが、被害者が女の子なので、相手方は女性の平均賃金を基にした金額を提示してきました。
その当時は、女の子が亡くなった場合の逸失利益は、女性の平均賃金で計算するという考え方が主流でしたが、逸失利益の計算の基準となる平均賃金は、女性の方が男性よりも大幅に低くなっています。逸失利益とは、本来その人の潜在能力で算定すべきで、男女差があるべきではないと主張しましたが、裁判所の判断は、男女の平均賃金、つまり全労働者の平均賃金を基にするという判決でした。
最近の裁判では、女性の逸失利益を計算する場合、男女の平均賃金で計算されるようになりましたが、兼業主婦の場合、主婦の家事労働は、平均賃金に評価されていません。家事労働はお金に換算したら大変な物です。家事労働を適正に評価したら、男性の平均賃金を超えることもあると思いますので、女性も男性の平均賃金で計算すべきではないかと私は考えています。

逸失利益でもう一つ問題なのは、高齢者の場合です。若い人に比べて平均余命が短いので、多少は低くても仕方ない…という考え方と、命に違いはないから金額に差をつけるべきじゃない、という考え方があり、裁判所でも見解が分かれていますが、他に生活費控除率の問題があります。
生活費控除率とは、たとえば年収400万の人が亡くなった場合に、年収のうち生活費に使っただろう金額を差し引いて逸失利益を計算しますが、この差し引く金額の割合のことをいいます。
扶養家族のいる男性の場合、通常なら3割~4割程度の生活費控除率で済むところを、年金生活者だからという理由で6割も引かれたケースもありました。
一般に、年金暮らしでは収入に対して、生活費の占める割合が高くなりがちなので、控除の額が増えてもいいというのが、裁判所の考え方です。

逸失利益の計算には、様々な考え方があり、加害者はできるだけ金額を低く見積もろうとしてくる傾向があります。提示された金額が適切かどうか疑問に思ったら、是非一度弁護士などの専門家にご相談ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇476回テーマ
 「交通事故 命の値段」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 山田冬樹 代表弁護士

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