御堂筋暴走事故 低血糖症の容疑者を危険運転致傷容疑で逮捕

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御堂筋暴走事故 低血糖症の容疑者を危険運転致傷容疑で逮捕

2014年07月08日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

大阪・心斎橋の御堂筋で6月30日にワゴン車が暴走した事故で、大阪府警は4日、低血糖状態で運転して自転車の女性ら3人に重軽傷を負わせたとして、会社員を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)容疑で逮捕した。
同容疑者が事故で負傷し病院へ搬送された直後、血糖値は意識傷害を起こすレベルまで低下していたという。
車で取引先を回っていたが、事故の1時間半前に低血糖の兆候を感じたため停止し、どら焼き1個を食べ、オレンジジュース1缶を飲んだという。「その後走行中に意識を失った。飲食していたため低血糖になるとは思っていなかった」と話しているという。

※参照
2014年7月5日 日本経済新聞
「御堂筋暴走の男逮捕 危険運転致傷容疑 低血糖で運転」

(評)
自動車運転死傷行為処罰法第3条2項では「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

政令が同法の対象となるとして指定した病気として次のものがある。
① 自動車の運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する統合失調症
② 意識障害又は運動障害をもたらす発作が再発するおそれがあるてんかん(発作が睡眠中に限り起こるものを除く。)
③ 再発性の失神
④ 自動車の運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する低血糖症
⑤ 自動車の運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈するそう鬱病(そう病及び鬱病を含む。)
⑥ 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害

無自覚性ではない低血糖症、人為的に血糖を調節できる低血糖症は、運転免許の欠格事由には該当しないが、危険運転致死傷罪の要件には該当する。
無自覚性ではない低血糖症とは、前兆症状が自覚できる低血糖症のことでえある。前兆を自覚しているにもかかわらず糖分の摂取等といった適切な措置を採らずに危険な状態であることを自分で分かっているのに自動車を運転することや、人為的に血糖を調節できる低血糖症の場合に、インスリン注射を控えたり糖分を摂取したりといった適切な措置を採らずに自動車を運転することも、この罪の対象となる。
本件では、同容疑者が「事故の1時間半前に低血糖の兆候を感じたため停止し、どら焼き1個を食べ、オレンジジュース1缶を飲んだ」と主張しており、実際どら焼きを食べたり、オレンジジュースを飲んだのかが重要になる。

法律事務所ホームワン 代表弁護士 山田冬樹